ここでは第二次世界大戦時の空母に関する事を掲載しています
空母の各部名称
下の図は、空母の各部名称を記載したものである
厳密に言えば、ここに記載してる以外にも色々あるのだが詳細に書いてもゴチャゴチャするだけなので
最低限な名称だけ記載してます、興味をもったら自分で調べてみることをオススメ
注意
ゲーム上の空母を参考にしてる為、実際の空母とは違います
着艦
飛行機で空に上がる以上、避けては通れないのは着陸である
その着陸で陸上の空港ではなく、海上を走る船の上に降りる事を着艦と言う
陸上基地と違い滑走できる距離が極端に短く状況次第では波の影響で揺れる場所の為
発艦もそうだが着艦は非常に難易度が高く難しいのである
着艦手順
着艦の手順は、先ず空母が風上に向かい合成風力が15ノットになるように進路をとり
合成風力が15ノットに達した段階で着艦準備完了と合成風力15ノットの合図が信号旗で掲げられる
これを確認できてからパイロットは着艦手順に移る
図Bは着艦する際の着艦経路である。
着艦する編隊は a1 の方向(母艦右側)から進入し、母艦上空を過ぎた b2 の位置で編隊を解散し
一番機から a_第一旋回 して誘導コースに進入し脚だし操作を行なう
この時、二番機以降も一番機に続き誘導コースに進入するが、
前の機体と旋回のタイミングや速度調整しながら大体1000m位の間隔を開けて追従する
母艦と適切な間隔を保ちb_第二旋回を行い、単縦陣の形になりながら左手に見える母艦の
約1000m後方にいる駆逐艦上 d_第四旋回 の位置を目安に c_第三旋回 を行なう
c_第三旋回 を終えるタイミングでフラップを下ろし、その次に着艦フックも下ろす
実際ならば、この位置まで来れば母艦の着艦指導灯が確認できるのだが、見えなくても適切に高度を下ろす
d_第四旋回 が終わり機首角と速度に気を付けながら母艦を軸線に合わせて降下を続け着艦する
実機では着艦寸前でエンジンカットを行なうが、ゲーム上は作業員などいないのでカットせずに降りて
着艦後速やかにフックを上げて機体を前に移動させてください
空母に機体を着艦させる場合、特に問題が無ければ一機着艦毎に
エレベーターで格納庫に収納し甲板を開けた状態で次を受け入れるのですが
これは時間が掛かる上に、ゲーム上ではエレベーターでしまうことも出来ないし作業員もいないので
強制収容と呼ばれる連続着艦方式にて降ろす事になります
この方法の場合には、3,40秒毎に後続の機体が降りてきますので、
万が一トラブルが発生した場合には速やかに申告して、後続を止めてください
又、ゲームではクラッシュバリアが無い為に失敗が大事故に繋がります
普段から練習をしっかりしましょう
補足
*トンボ吊り=不慮の事故に備えての救出任務用の船
着艦進入角・着艦指導灯
図Aは着艦の進入角と着艦指導灯を解り易く示したものです
本来であれば、着艦指導灯に従って降下を行なえば進入角は適正に保たれるはずなのですが
IL2では再現されていませんので、ここでの説明をヒントに着艦を練習してください
着陸進入角
まず、着艦に関しては図にも記載されている通り約6°の角度になるようにアプローチします
この6°に関しては経験で覚えるしかないのですが、一人で飛行してると解りにくいかもしれません
そんな時は、記載してる母艦の見え方になるようにアプローチすれば大体6°位での降下になります
次に適正なアプローチ角度を保ちながら降下を続け着艦する際ですが
機体を接地させる時には三点接地を心がけてください。これは接地距離を短くする意味合いもありますが
日本機は全般的に着艦フックが短めの為、三点接地ができないとワイヤーがフックに掛からず
機体を止める距離が伸びたり、最終的に止まる事が出来ずにやり直しや衝突の危険があります
だからと言って最初から三点姿勢では空母が見えなくなってしまうので危険度が上がってしまいます
その為に、図Aに記載されたように空母の縁あたりで機首を持ち上げ三点姿勢に移行し着艦します
空母によっては、艦尾の位置が分かるようにする為、艦尾張出しと呼ばれる飛び出し部分があります
尚、実機ではこのタイミングでエンジンカットするようです
追記
*約6°と記載してるのは、この角度は条件によって多少変わることがありますので約をつけてます
(大体5.5°~6.5°の間で設定される事が多い)
*例、ゼロ戦の場合 三点姿勢(着艦標識)の場所で78knot前後、接地する際は72Knot以下
(当時のパイロット談)
着陸指導灯
図Bは着陸指導灯を説明しているものです
IL2では特に必要のない知識ですが、他のゲームで使う事があった時のため記載しておきます
現在の空母に使用中のフレネルレンズ光学着艦システムの様な物が二次大戦中の日本空母にも搭載されており
これは着陸指導灯とよばれ、日夜関係なく点灯されてパイロットの着艦を補助していました
確認方法
ライトは赤と緑の色で前後に距離を開けて配置されており
この二色ライトの見え方で赤が緑より低ければ高度が高く、赤が緑より高ければ高度が低く見えるので
パイロットは、このライトが一列に並ぶ様に保ちながら降下すると適正な角度で安全に降りられます
又、母艦に軸線を合わせて誘導角に収まれば左右のズレもライトを基準に確認することができ
最後まで左右が均等に見えていれば高さと同様に左右にずれる事無くアプローチする事ができます
因みに、このライトの光力は弱すぎても強すぎてもいけない為、設定光力は1kwとなっています
着艦制動装置
陸上と違い長さに限りがある空母の甲板上で高速の機体を止める為には
ただ降ろすだけでは距離が足りずに空母を飛び出して海に落ちる危険性が高いので
甲板上で確実に停止させる為に制動装置を用いて機体を止める必要があります
しかし、機体を止めると言っても急に止めてしまえばワイヤーが切れたり
機体やパイロットにダメージがある為、出来る限り上手く機体の力を吸収して停止させる必要があります
(この際の減速重力加速度は3G以下になるように調整します)
二次大戦当時の日本空母には三種類の着艦制動装置がありました
呉式(装置重量5t)
制動用ワイヤーが飛行甲板下方の糸巻きに巻かれており、航空機がワイヤーを引っ張り
糸巻きが回転すると電磁式ブレーキが作動する物で最大で40メートルで航空機を停止する
伸びたワイヤーに関してはモーターを使用し巻きなおす
最大4tまでの機体に対応
空技廠式(装置重量6t)
制動用ワイヤーが油圧ピストンに繋がっており、油圧式機構を用いることで
無理なく航空機を停止させると同時により短い時間で準備を整えることができ
着艦時間を短縮することが可能に
伸びたワイヤーに関しては圧縮空気を利用する事で元の状態に戻す
最大4tまでの機体に対応
三式(装置重量6.5t)
空技廠式の改良モデルで、高速機でも最大45メートルで停止させる事ができると共に
最大6tまで対応になった為、97艦攻以降の機体にも使用する琴が出来る
狙いとしては護衛空母など飛行甲板が短い空母の為に開発したものだが
優秀な出来の為に通常の空母にも使用された
最大6tまでの機体に対応