急降下爆撃


降下爆撃には緩降下爆撃と急降下爆撃があるが、下の図は日本軍が行なった
急降下爆撃の流れを示した一例である

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まず、高度六千メートル前後で編隊を組みつつ目標艦が確認できるまで進行する
目標艦が確認でき、ある程度の距離まで近付いたら突撃隊形に移行し
長機の合図と共に連続、若しくは一斉に突撃を開始する。一斉に突撃する際には他の機体との接触に注意する
爆撃後は極低空での離脱を優先するが、離脱方向を調整できるならば出来るだけ味方機が集まりながら離脱する


一列に突入する場合

突撃隊形で長機を先頭に単縦陣に移行して、突撃で目標艦に一列で突入する
主な照準は先頭に立つベテランの長機が行なう為、後続の機体は先導機にあわせて投下を行なえる
先導機が攻撃を外しても、誤差を修正して攻撃を行なうことが出来る為、高い命中率を維持する事ができる

欠点として、一列に追従する必要があるので相応の錬度が必要である事
一列に突撃する必要上、進入コースが同じであり、対空砲が狙いを集中しやすく
対空砲に狙われた場合に被害が大きくなりやすい


一斉に突入する場合

突撃隊形で長機を先頭にエシュロンなどの横に伸びる隊形に移行して、突撃で目標艦に一斉に突入する
照準は個々に行う為に、技量差で命中率に違いが発生するが、一斉に攻撃を行なう為に
対空砲は全ての攻撃機を対処できずに損害を抑える事ができる。又、目標艦も回避行動を行なう際に
安全な離脱方位を定めにくくなる為に、命中を期待できる

欠点として、一斉に一つの目標に突撃する為に他の機体と衝突する可能性が高い事や
個人の技量が命中に大きく左右する為に、連度が低い部隊だと隊の命中率が下がってしまう


補足
目標艦が確認できた際だが、別の方法として目標艦から四千メートル前後の距離で緩降下で高度を下げ始め
目標艦上空で三千メートルになるように調整し、急降下爆撃を行なう方法もなどもある


攻撃時の目標艦角度


目標艦に突入する時に、目標艦がどの角度になる様に突入するのが良いか?図Bを見ながら考えてみよう

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目標艦が横の場合と縦の場合、大きく変わってくるのは命中させる為に許されるズレの方向である

目標艦が横の場合には左右に長さの余裕があるが縦に余裕は無い、構造物は船体と重なる
目標艦が縦の場合には前後に長さの余裕があるが横に余裕は無い、構造物が船体の幅プラスaになる

単純に之だけの話であれば、貴方がやりやすい方向で突撃すればいいだけで
特別ここに記載する必要もないのだが、急降下が苦手な人はこれから書くことがヒントになるかも


基本

爆撃全般に言える事だが、急降下爆撃に大事な事は機体を安定させる事である
爆弾は落ちるまでに様々な影響を受けるが、単純に書いてしまえば重力で下に落ちる

しかし、ここで機体から離れる際に機体の慣性影響も受ける。機体が横に滑ってる時に
真ん中で狙っても爆弾は横に慣性を受けて流される為狙った場所に落ちない
その為に、機体を安定させる事が爆撃する際に重要なのである
ここは基本となるべき部分なのでしつこいぐらい念押ししておく

制御

急降下中は機体制御は大変な事は経験者なら知っていると思うが
機体を制御する上で、縦の動きと横の動きではどちらが制御しやすいだろうか?
大抵の人は縦の制御の方がやり易いと感じると思う。といっても個人の技量次第なので
之だけでは判断が難しい所ではあるのだが、普通、縦の制御より横の制御の方が作業量が増えてしまう為
安定の難易度で言えば縦の制御ほうが楽であると私は思う

多くの場合、投弾前に目標艦が左右に回避した場合に縦に進入した場合には命中範囲から
直ぐにずれてしまい機体を横に滑らして修正する必要が出てくるが
横に進入した場合には命中範囲が縦に比べ余裕がある上に修正時も上下の縦の制御なので
比較的修正に余裕を持つ事ができる

又、実際の場合などは縦で攻撃した場合
芯をずれて着弾すると爆弾が滑って弾かれてしまう可能性がある


最後に、ここまで読んで見れば縦より横を推奨してるように見えるが、横が正解なわけではない
方法の説明としてこの様な書き方をしてるだけで、書いてないだけで縦のメリットも当然ある
ただ、爆弾を当てなければ縦でも横でも変わらない。最終的にどのような状態でも当てる技量を習得するべきだが
その過程でどちらのほうが命中率が高くできるかの判断材料にしてもらえれば幸いである