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BFP Coop D3A&B5N
「これほどの大編隊ではアメリカの電探網にかかるのではないですか?」
私が話しかけると機長は笑顔を浮かべながら
「オレは今日、下衣を替えずにこいつを操縦しているぞ。だからお前は何も心配することはないさ。」
私は一瞬驚いて
「どうして下衣が・・?」
と、失礼な口調でたずねてしまった。
機長は
「臭いと敵の弾もたまらずによけるだろうよ。鉄は不浄なものを嫌うと俺のばあさんが言ってたぞ。」
私はよくよく気をつけて「クンクン・・」
「なるほど、それでは機長は無敵のふんどし様でございますか。」
そう言いながら機長を見れば機長は笑顔の中でも眼光鋭く周囲に目を光らせていた。
私が緊張した顔で周囲を見ていると機長がラジオを聞かせてくれた。
ホノルルの放送局から流れる番組の中には我々のことを伝える内容は一切なかった。
「アメちゃん達はのんきなものだよな。いつの時代でも自分たちが一番だと勘違いしているもんな。」