離陸と着陸


 ここでは、基本的な離着陸について説明します
「空を飛ばずしてなにが飛行機か!!」・・と言います様に飛ぶ為に避けては通れませんのでご理解ください

トラフィックパターン

 最初に、離着陸を始める前に空港の周囲には滑走路を中心とした「トラフィックパターン」と呼ばれる空の道があります。
これは不要な混乱を避けると共に、事故を防止する上でも重要な事なので覚えておいてください

上の図に示した物が「トラフィックパターン」になります
飛行機のアイコンを見れば判るかとは思いますが、基本的に左回りが多いですが空港や状況によって右回りの場合があります
周回高度は、800ft〜1200ftに大体設定されているが空港によって違うので確認が必要
ここで説明する離着陸はこのパターンにそって飛んでいきます。又、「タッチアンドゴー」と呼ばれる離着陸練習でも、通常このパターンで行います

上の図にある1~3の数字は飛んで来た航空機の進入パターンになります
1,ストレートイン
 定番の進入方法。滑走路に対し真っ直ぐに進入し、そのままファイナル,着陸とアプローチする方法
コンバットブレイクと呼ばれる方法は、この方法で進入し滑走路上空で急旋回し、着陸へ持っていく方法である
2,ダイレクトベース
 滑走路に対し横から進入し、そんままベース・レグへ入りファイナル,着陸とアプローチする方法
着陸機が多い場合、ファイナルに入る前に管制官からダウンウィンドへ誘導される事がある
3,サークリングアプローチ(45°エントリー)
 気象状況などで、滑走路に真っ直ぐ進入できない場合に取る事が多い方法。進入後グルッと回りアプローチする
図ではダウンウィンドからだが、クロスウィンドから進入する事もある

降着装置

 次に、降着装置について軽く触れておきます
ここで触れるのは、足の配置が違う事による影響についてですが

 まず、大きく分けて二つ「前輪式」と「尾輪式(テイルドラッガー)」に分けられます
前輪式
 上の図で言うと左側のセスナのスタイル。現在の主流スタイルで、一番良く見る形でしょう
機体が地面に対しほぼ水平で前方視界がよく。ブレーキングの時もコントロールがいいのが特徴です
尾輪式(テイルドラッガー)
 上の図で言うと右側のパイパーのスタイル。プロペラ機が主流だった時代に多く見られるスタイル
機体が地面に対し斜めになるために速度が出るまで前方視界が悪い。ブレーキングの時にコントロールが難しい
反面、プロペラの径を大きくできたり軽量化しやすい。

離陸

 それでは以上の事を踏まえた上で離陸してみましょう
滑走路上に出たら離陸前に、各部動作チェックを行ってください。もし違和感や正常に動作しない場合
一度離陸を諦め滑走路を外れて、整備された機体に乗り換えてください
問題がなにも無い様ならばいよいよ離陸です。管制官がいる場合は許可を貰いましょう

 スロットルを開き加速を開始するのですが、ここで注意があります
殆どのプロペラ機は、プロペラの回転方向と逆にカウンタートルク(反トルク,トルク効果)が作用します。
どのような影響があるかと言いますと、まず上の図をご覧ください。
黄色が予定進行方向(進みたい方向)でオレンジがカウンタートルクで機体が進もうとする方向です

 ここで何も考えずに加速していくと、機体はどんどんオレンジの方向へ進み滑走路から外れてしまいす
そこで、緑の方向(右)へラダーを当てる事で機体が黄色のラインに進むように修正します
画像では右回転のプロペラ機の為オレンジの方向に機体が流れていきますが、左回転なら逆に緑の方向に機体は流れていきます
又、カンタートルクの影響はエンジン馬力やプロペラ径、急激なスロットル操作(回転数)などでも変化します

 カウンタートルクに気をつけながら、スロットルを少しずつ開けながら加速を開始します
尾輪式の機体は、速度が出てお尻が浮くまで前がよく見えないと思いますが、横を見ながら機体が滑走路から外れないように意識してください
離陸時に初心者がよく行いがちの失敗として、機速が十分に乗る前に機首を上げしまう、機首を急激に上げてしまう、結果失速して墜落してしまう事があります
この失敗をしない為にも、離陸時には十分に機速を乗せてからユックリ機首を上げましょう。
機体が浮き上がったら、すぐにランディングギヤを格納しましょう。抵抗を減らすと共に機速を乗せる助けにもなります

着陸

 離陸後、トラフィックパターンにそって周回し滑走路にアプローチ、着陸となるのですが
初心者はパターンを回る時に高度を上げてしまう(特に旋回時)人が多いので、規定高度よりあげないように注意してください
又、管制官がいる場合にはベース、若しくはベースに入る時に着陸の許可を貰いましょう

 いよいよ着陸です。着陸の為減速を始めると揚力が減り高度が保てなくなるので、フラップを使い減った揚力を補い高度を保ちます
機速が早い段階でフラップやランディングギア展開すると壊れてしまいますので注意してください

 上の図のように滑走路に対し真っ直ぐに進入します。この時、滑走路に降りる角度を3〜4°になるように進入するのが理想的なアプローチ角です
ここで、機速を落としていくと機体は高度が保てなくなります。これを利用して理想的なアプローチ角を自然と保てるように進入できれば一人前と言えます
ここでの注意は、機速を落とすと機体が思うように動かせなくなります。同様に、無理に動かす事も失速の原因になりますので避けましょう


 着陸失敗の主な理由は十分機速を殺せていないか、降下速度が速すぎるせいなのですが
ここでは、その関係を下の図を使い簡単に説明します

 まず、着陸を安全に成功させるためにはバランスが大事になります。機速が速ければ高度は落ちず黄色のラインのまま着陸できず
機速を殺しすぎれば揚力が足りなくなりオレンジのラインの降下速度が速くなり地面に強く当たりランディングギアが壊れてしまいます
安全に着陸するには、機速と揚力のバランスを保ち緑色のラインで進入しなければなりません

 タッチアンドゴーの練習をする人は着陸後、機体を止めることなく再度加速し離陸して同様の手順を繰り返してください
機体を停止させる人は、無事着陸しても、機が停止するまで気を抜いてはいけません
尾輪式の機体は特にブレーキングに注意してください。前輪式と違いフルブレーキをかけると前につんのめる可能性があります
又、カンタートルクの影響で機体は滑走路の真ん中から外れようとするのでラダーで修正する必要もあります

安全な速度まで減速、若しくは停止したら他の人の邪魔にならないように機体を滑走路からどこしてください
その後、エンジンを止めて反省会をした後、終了となります

 最後に、ここまで目を通した貴方なら知識は十分に手に入りました
次は、実際に実技の方で離着陸を頑張ってください

着艦

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