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BFP Coop D3A&B5N
道中、基本的に周辺警戒以外はするべき事は無く、周辺警戒も護衛の零式戦闘機が目を光らせている為
万が一の取りこぼしを警戒するぐらいで、言い方が悪いが作戦遂行中で無ければ遊覧飛行と変らない様に感じつつ
周辺で編隊を組んでる攻撃隊を眺めながら、この後の事を想像してたのだが
どうやら、これは私だけではなく他の攻撃隊の搭乗員も第一波攻撃隊の動向に意識を振り向けてる方が多そうだった
ハワイまで残り半分ほどの距離で第一波攻撃隊より 「 ワレ奇襲ニ成功セリ 」 の無電が飛び込んで来る
各機を見回しても同じ無電を受信していたようで、皆喜びを隠し切れないようだ
かく言う私も飛行中の寒さと発動機の音で若干眠気を感じていたのだが、諸手を上げて喜んだのは言うまでもない
しかし、喜びもそこそこに機長が難しい顔をしているので不思議に思い話しかけてみると
「 第一波が成功したと言う事は、当然第二波は奇襲にならず激しい抵抗を受ける事を考えていた 」
と答えてくれた、忘れていたが之は戦争であり攻撃をする事もあれば攻撃される事もあると言う事を・・・・
改めて戦争が始まったと認識させられると共に、無事に帰れるか不安が込み上げて来る
急に大人しくなった事で気付いたのであろう、操縦士が私を励ますつもりで続けて声をかけてきた
「 確かに危険は増したが、此方とて軍神に守られているから弾に当たる事は無い大船に乗ったつもりでいればいい 」
と、言われ若干気持ちが軽くなる
進行方向に目的地であるハワイのオアフ島が確認でき、改めて各搭乗員気持ちを引き締める
此処までは何事も無く来る事が出来たが、この後は無事を保障できない。皆、敵機がいないか目を皿の様に見開いて警戒する
「 前方から敵機接近中 」
一早く発見した機体から合図があり、其方に目を向けると
護衛に付いていた零戦が返り討ちだと言わんばかりの突撃で空戦が開始した所だった