爆撃&雷撃

 ここでは、爆撃と雷撃について説明します
コンバット系のフライトシムの場合、空戦だけでは無く爆撃も重要な役割を持つ事があります
地上部隊の援護や脅威を排除する為に爆撃をしたり、特定のゲームでは施設を占領する為に爆撃によってダメージを入れる事もあります
又、戦闘機とは違い爆撃機ならではの楽しさもありますので興味を持って貰えれば嬉しいです

最初に攻撃方法ですが大きく分けて3つあります

水平爆撃
降下爆撃
魚雷攻撃(雷撃)

それぞれ、特徴があり目標に合わせて使い分ける事によって効果を発揮します
ではどのような特徴があるのでしょうか?それぞれを見比べてみましょう

水平爆撃

 高度を一定に保ったまま、目標に向けて爆弾を投下する方法です。
この方法は、目標が広い場合に向いており、集団で行動する事で最大限の効果を与える事ができる
錬度が低いパイロットでも編隊を組んで行動する分には自分で狙わなくてもよく命中率に差が出にくい
反面、ピンポイントに爆弾を落とす事が難しい為、目標が小さい場合にはオススメしにくい方法です

 一般的に、高高度、中高度などは大型機や中型機、低高度は中型機や小型機が行う事が多い
平均的な爆撃高度は3000m〜5000mで、目標付近の状況に合わせてより高い高度からの攻撃を遂行した
中には、超低高度を進み水面に爆弾を跳ねさせて攻撃させる「跳飛爆撃(スキッピング・ボム)」と呼ばれる攻撃方法も存在する

 通常水平爆撃は高度が高くなるにつれ命中率が下がっていくが、逆に高度を下げていくと対空砲などの脅威は高くなる
命中率を取るか、被弾率を取るか難しい所だが、機数が多い場合高い高度から大量に投弾する事によって命中率を補う方法もある

 水平爆撃の場合、投下された爆弾は重力に従って下に落ちていくのだが
航空機の用に動きながら投下する場合、進行方向に対し進む力を受けるので真下に落ちる訳ではなくA-2の用に進行方向に向って孤を描くように落ちていく
これを忘れずよう意識し爆弾を投下する際には、目標の真上ではなく、目標に対し手前で投弾する必要がある

 落下経路に当たるA-2の孤は一定ではなく空気抵抗や、風などの気象条件にによって大きく影響を受けて目標とのズレを生み出す
A-1に置ける高度が高くなった場合、A-2の孤も長くなりその分影響を受ける時間が長くなる為、比例して命中率が下がっていく
同様にA-3の速度が速くなった場合も前方に押し出される力、それを戻そうとする力が大きくなり、A-1同様の影響が生じ命中率が下がっていく
よって、爆撃手は以上の事を踏まえて、高度、速度、風、爆弾の重量等で理想的な投下ポイントを計算し照準機で狙い定める必要がある

おまけ・・Bombing Angle 計算表

IL2などマニアックなゲーム等では、手動で水平爆撃を行う際に爆撃照準器の投下アングル角を求めなければなりませんが
空援隊のJijiさんがアングル角計算用Toolを作成してくださいました
このToolの凄い所は、国別の単位を変換せずとも選択する事でそのまま使える所!是非お試しアレ

Bombers Calculator

投下方法

 水平爆撃の場合とられる投下方法は大きく分けて二種類あった。
1つは、1番機が狙いをを定め、他の機は1番機に合わせて一斉に投下する方法で
この方法であれば、個々の命中率の差が出にくく1番機が狙いを外さない限り命中率を上げる事ができる

 もう一つの方法は、個々の機体で狙いを定め投下する方法で
個々の技量による命中率の差が大きく通常オススメできないのだが、大戦時のアメリカ軍が使っていた
ノルデン照準器のような優秀な照準器が装備されている場合、錬度が低い爆撃手でも高い命中力を維持できる

高射砲からの回避パターン

 集団で飛び大きく回避行動が取れない爆撃機は、レーダーや対空砲の性能が上がり命中精度が高くなると被弾率が高くなりました
これに対抗するために航空機側でも防御手段として図のような回避パターンを取り入れて被弾率を抑えるよう努力しました

編隊を組むポイント

 主にデルタ、ダイヤモンド、V字で編隊を組み飛行し、目標が見えても隊形を変える事は少ない
機数が多い場合、小隊毎に編隊を形成し、形成された編隊で大きな編隊を形成する
攻撃時は、通常1番機の爆弾投下&投下コールを合図に各機爆弾を落とすので2番機以降は編隊を組む事に集中できる

 ヨーロッパ戦線では3機のデルタを前後に2つ並べた6機で1中隊とし、それを3小隊集めデルタを形成したものを「コンバット・ボックス」と呼んだ
更に、このBOXを三つ集め大きなデルタ隊形を取った物を「コンバット・ボックス・スッタッガー」と呼び、これを複数集め集団で目標地点に進行した

降下爆撃

 目標に降下しながら狙いをつけて爆弾を投下する方法です。降下爆撃には「緩降下爆撃」と「急降下爆撃」の二種類に分けられる
この方法は、目標に向かいピンポイントで降下して狙いをつけるので命中率が高く目標が小さい時に向いています
反面、命中率を高くするには錬度が必要であり、広い範囲を攻撃したい場合にはオススメできません
次に方法と注意点の説明です

攻撃方法

 まず、降下爆撃の投弾方法なのですが、水平爆撃とは違い目標に狙いを定め降下しながら投弾する必要があります
この時、単機であれば問題ないのですが、編隊で飛んでる場合はどのように投弾するかを決める必要があります
その投弾スタイルは大きく分けると以下の二つが上げられます

・1番機に従い後続機はトレール隊形を維持しながら順次降下し投弾する方法
 この方法は、1番機が正確に狙えば小隊の命中率が上がる上に、外しても後続は1番機の投弾を確認できるので、多少狙いを修正し命中率を保つ事ができる
反面、対空砲火を集中されると同じコースを飛ぶので被弾率が高くなってしまう。又、降下中1番機を綺麗に追従するのに錬度が必要である

・編隊全機で一斉に降下し個々に狙いを定め投弾する方法
 この方法は、1番機の降下と共に後続は一斉に降下し各自で目標に狙いを合わせて投弾する。対空砲の狙いが散らばる(主に1番機を狙う為)為に全体的な被害を抑える事ができる
反面、各自の錬度に大きく依存するため命中率に差がでやすい、一斉に攻撃するため他機を確認して修正する事が出来ない&他機に気をつける必要がある

どちらも、メリットとデメリットがあるので様子をみながら使い分けるのがいいでしょう

おまけ・・・前者は、大戦初期旧日本軍が使用してた戦法であるが対空砲が進化した後期では後者に変更した流れがある

投弾方法

 投弾方法は降下角度が45°を基準にそれよりも深い角度を「急降下爆撃」、それよりもゆるい角度を「緩降下爆撃」として言い分ける
降下しながらの投弾は変わらないが、角度が違う事によりメリットやデメリットがあり状況に応じて使い分ける必要がある


緩降下爆撃(B)

 目標に向かい浅い角度で降下しながら狙いをつける。特別な装置を持っていない戦闘機等でも行える方法で汎用性が高い
反面、浅い角度で投弾する為、急降下に比べて目標と爆弾の降下予測範囲が広く命中率が低い。進入角度が浅い為対空砲の脅威が高い

急降下爆撃(A)

 目標に向かい深い角度で降下しながら狙いをつける。降下角度が深い為、目標と爆弾の降下予測範囲が狭くなり命中率が高い
反面、降下角度が深い事から速度が増えてしまう、深い角度から引き起こさなければならない等
通常より機体に負荷が掛かるため専用のブレーキを装備した機体などを使う必要がある

 主に、巡航高度は5000〜6000mで飛行し目標に向うが、目標が確認できたら緩降下で高度を下げ
目標に対し平均進入高度は3000m、降下角度は60°前後、投弾位置は500m〜1000mが基準数値として残っている
 この時、引き起こしの関係から1000m以下に降下してる場合には命中の有無を抜きにして投弾しなければならない
同時に500mまでに投弾しない場合、引き起こしが非常に難しく生命の保証ができない

編隊を組むポイント

 主にデルタ、エシュロン、V字で編隊を組み飛行し、目標が見えたら必要に応じて隊形を変更する
その際にはトレール、エシュロンなどが好ましい。
 機数が多い場合は、小隊毎に編隊を形成した後、小隊を一つと考えデルタなどの編隊を形成する
攻撃の際には小隊毎に攻撃目標を決めて攻撃するのだが、攻撃時の投弾スタイルも決めておく事
この時、巡航高度が高い場合には目標を確認後3500m前後まで高度を下げておく事

急降下爆撃詳細ページ


魚雷攻撃

 低高度から艦船に向けて魚雷を使い攻撃する方法です。
主に、艦船の弱点である喫水線を攻撃ができる為、艦船には効果的だが
反面、命中率を高くするには錬度が必要であり、目標が動いてる場合相手と魚雷の動きを考える必要がある
次に方法と注意点の説明です

投下高度

 まず、魚雷攻撃をする為には魚雷を投下しなくてはいけないのですが
爆弾と同じように高高度から投下しては魚雷は壊れてしまいます。よって投下するために投下可能高度までおりる必要があります

 海面から機体までの高さ(上の図でCと書いてある場所)ですが、これが高いと魚雷が壊れてしまいます
どれくらいの高さから投下するのか、この高さの設定なのですが推奨10mといわれております
10mなんて・・・と驚かれる方も多いかと思いますが、実はこれ真珠湾攻撃の際に浅い湾内での攻撃を想定したもので
10m+100ノット(約185km)=魚雷が沈む深さ12m以内、を前提とした設定です
通常であれば30mを基準に考えられていたようです。この高度も速度が130ノット(約240km)より遅い速度を基準です
速度が遅い分には低く投下しても問題ないのですが、速い速度のまま低く投下すると魚雷が海面を跳ねちゃうからです

 では、最終的にどうなったかと言いますと、雷撃機の速度によって変わっては来るのですが
推奨する投下高度は、最低200〜250ノット(約370〜460km)で飛ぶとし平均投下高度は40m〜50mになります。*旧日本軍を基準

おまけ・・・結局、真珠湾攻撃の際には雷撃機の性能と魚雷を改良も手伝い、高度20m速度160ノット(約300km)で攻撃したらしいです

投下ポイント

 次に投下ポイントになりますが、これは目標が止まってるか動いてるかによって大きく変わります

 図を見て頂くと判るかと思うのですが、止まっている目標に関して攻撃する場合はBのポイントで問題ありません
但し、目標が動いている場合にBのポイントで攻撃した場合、命中予定のB-1に魚雷が届く頃目標は前進しすでにその場所にいません
よって、移動目標に攻撃する場合は相手の動きを見て未来位置に攻撃しなければなりません
図でみるとAのポイントで攻撃し、A-1に魚雷が到達する頃に目標がピタリと合わさるように攻撃するという事です

 未来位置を想定して攻撃する場合、目標までの距離、目標の速度、目標の進行方向、魚雷の速度、等を加味して考えます
目標との距離が近くなれば、命中率も上がりますが危険度も比例して増加しますので安全な距離で攻撃する場合は錬度を上げる必要があります
 一応、投下ポイントの距離も決まっており、目標から平均1000mが基本となっています。
但し、実際の雷撃でも命中率を高めるため800m前後まで前進して投下してたようです。

編隊を組むポイント

 主にデルタ、エシュロン、フィンガーフォー、V字で編隊を組み飛行し、艦船が見えたら高度を下げ目標に突撃し
その際には隊形を変更しトレール、エシュロンなどになっているのが好ましい
 機数が多い場合、編隊をそれぞれ小隊毎に組み上げた後、小隊を一つと見てデルタ、ダイヤモンドを形成する
攻撃時には小隊毎に目標を決め、攻撃する事

雷撃詳細ページ